NEAGE

「値上げは愛」とは人を食った言葉のようです。


しかし実際はごくごく当たり前のことです。「自分の店がなくなったら、この時お客さまはどうするのだろうか」というお客さまへの想い。それは一家の大黒柱がいなくなったら、残された家族はどうなるのか?という心配に通じます。

家族のために生き延びるために健康に気をつけ支えていけるようにしようというのと同じ理屈なのです。それは値上げしてお客が減ったら、つまり見捨てられたらどうしょうという不安と対局にある考えです。言い換えると家族に見捨てられたらどうしょうという不安は、家族の信頼もなく養ってもらっている状態に通じるものです。

元々、安く売ることには、大義、理念があったはずです。しかしなにもなくただ儲ける手段として安く売ることに暴走した場合、元から大義、理念がないので、見捨てられたらどうしょうと猜疑心から値上げすることも、安く売ることもできず立ち往生する場合が少なくない。

「値上げは愛」とは、この問題に切り込んだ言葉なのです。

私はかねてからDO<BE、つまりなにをするかより、どうあるべきかが大事だと訴えてきました。
この問いかけに賛同していただいた企業には、ステークホルダー(利害関係者)ごとに、WINーWINの関係を構築するために、目的、目標をもってその実現に努力することを明文化するようにしました。それを具体的な行動レベルに落とし込んだのがクレドです。

そこにはステークホルダーのひとつに従業員もいて、その関係では「働きがいのある会社」をめざし、その裏返しで「応援したい会社」とはどんな会社で、どうすればそうなるのかをやはりクレドに盛り込み、一方で重要項目をピックアップして、ワークライフバランスの追求という形に昇華させて、それぞれマイルストーンを設定して、その実現を図りました。

その結果、人手不足による休業という事態も免れてきたのです。結果として免れただけではありません。そのプロセスを通じて、因果関係で結ばれたステークホルダーとの関係を良好なものにしてきたのです。

良好とは自分の店がなくなったら、この人たちを幸せにできないというWINーWINの関係です。ここがなくなると困る、だから応援するから私たちのために頑張ってくださいとお客さまに言われる店づくりなのです。

つまり「あなたがいなくなると困る。だからいつまでも健康でいてください。私たちも後押しするから、万一に備えてあなたの後継者を育ててください。」とお客さまに言われる店(会社)づくりなのです。

その始まりは、DO<BE、なにをするかより、どうあるべきかなのです。