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ホームとんがるモチベーション>第一章  ライフスキル  邪魔をしているものを知る  
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ライフスキル


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第一章  ライフスキル

 
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 【1】邪魔をしているものを知る  


■人間は感情の動物


 「よし、やるぞ!」とやる気いっぱいになってスタートすれば、誰でも目標達成が可能になるかというと、そうはいきません。
気持ちは常に揺れ動いているのが普通で、「あれだけやる気になっていたのに」と言われるように、いつの間にかモチベーションが下がっていることがあります。

私たちは、基礎的な知識は一通り持っているものです。
親は親なりに教えたつもりですし、学校でも先生は教えたつもりです。会社は会社で教えたつもりです。
でも知っているはずの行動ができないのは、どうしてでしょうか?
それも難しいことではなく、簡単なことができないのはどうしてでしょうか?
しかも、それをしないことが誰の役にも立たないことだと、こどもでも判るようなことを、こどもを持つ大人ができないのはどうしてでしょうか?

次の設問をチェックしてみてください。

1 目標達成に向かうよりリラックスする必要を感じる   YES NO
2 疲労やストレスでなにもしたくないと思うときがある  YES NO
3 人にして欲しいことがある場合はすぐにして欲しい   YES NO
4 緊張、疲労、不安を感じるとアルコールを飲んだり食べたくなる   YES NO
5 イライラするとモノを乱暴に扱うことがある      YES NO

 可能性の否定、達成できそうにないという不安、満足感が得られない不安などネガティブな感情が、自分も知らない隠された動機にマイナスのストロークで働きかけても、感情として処理してしまえば、それまでのことです。あなたへの影響は最小限に抑えられます。

どうでしたか、あなたが幸福になるのは、すべてノーが適正です。もしイエスであっても、思っただけで行動に影響しなかった場合には、問題ありません。しかし残念なことにあなたの意思が感情の洪水に溺れてしまって、意思に反した行動をしたのなら、思う事ができないばかりでなく、さらに寂しい、つらい、面白くない等、場違いな感情を呼び込び、心のコンディションはバランスを崩します。

 内なる不快感の連鎖が、意志を打ち砕き、なんでもないことさえ億劫になり、行動の邪魔をします。
感情の邪魔によって、「したいこと」が「しなければならないこと」に変わってしまうのです。したいことと、しなければならないことの間には、随分距離があります。
思いがけない距離のズレは感情によって始まり、感情的な行動によって固定してしまいます。

感情的な行動は好ましくないけれど、感情は素晴らしいものです。
昔から人々の心をとらえてきた歌、映画、小説などは、ほとんど感情に訴えるものです。人々を奮い立たせることもあれば、癒してくれることもあります。
もし感情がなければ、喜びも悲しみもなく、殺伐としたものになるでしょう。

それにしても感情には、好ましい感情もあれば、人を痛めつける感情もあります。
人間を蝕み、目的の達成を阻むのも感情である場合が多いのです。
緊張やストレスに耐える力は人によって違います。
耐久力が弱い人ほどネガティブな発言、行動が多くなります。
なぜ、こんな簡単なことができないのかと不思議に思うことも多いでしょうが、感情が揺れ動いて、エネルギー不足を引き起こした結果、バランスをとっているからです。

よし、今日は集中するぞ!と思っても、急に予定を変更することはありませんか?
自分のやりたいことがあっても、緊張やストレスがあるとネガティブな感情が働きだしやすくなります。
エネルギーバランスが崩れると、無意識に緊張を和らげるようと、意志とは無関係にエネルギー不足を調整します。
ストレスの根源に近い作業の邪魔をすることで緊張を和らげているのです。
ストレスが発生したときに、周りの人からの依頼や誘いがあると、中断するのに自分への言い訳ができて好都合なのです。

それにしても、こういうことを繰り返していると、さまざまな<境界>をぼやけさせます。その上、気分転換が多いと、集中力は分散しがちです。
時間管理の本や手帳などがたくさん出版されているのは、時間管理が思うようにできない人が多いからです。
時間管理術をいくら学んでも実行できないのは知識不足というより、感情のコントロールができないのが問題なのです。

感情を「しなければならない」という理屈でコントロールすることに無理があります。
感情には感情で対処するのが自然です。
自分に好ましくない感情が起これば、好ましい感情で対処するのが効果的です。
好ましい感情とは、楽しい、うれしい、おもしろいなどです。
悲しいときに、怒っているときに、不安なときに、反対の感情を持たせるのは至難の技です。
 
  それでも、好ましくない感情が、どれほど自分に悪影響を与えるのか知っていれば、感情の流出は防げない場合でも、感情の洪水に流されることは防げます。
その対処方法については、後で詳しくご説明します。

誰でも、その時々でコンディションが変化します。一流といわれる方も同じです。
彼らが一流に昇りつめ、維持している裏には、常にベストコンディションを保つように工夫があるからです。
たとえば高額の報酬を受け取るイチロー選手が毎日同じものを食べるのも、同じリズムを保って、心と身体のベスト・コンディションを保つための配慮です。
上昇志向の意思があることに安心することなく、求める結果を出すことを最優先にした暮らしの知恵は、自分を律することから始まっていることが発見できます。

感情を感情で対処するレベルではなく、さらに踏み込んで知識を感情レベルに落とし込んでいます。
気持ちは空気の気。自分の「やり遂げたい」気持ちを見失わないように、注意深く監視しながら過ごすから、やり遂げることができると言えます。
そこには我慢があり、我慢には目的があります。自分の意思の邪魔をさせない自分の最大の味方として我慢が存在しているのです。
そして、目標達成のよろこびの正体は、自分が自分を律し抜いたよろこび、そのものなのです。
 
 感情は人間をもっとも人間らしいものにするものであっても、もっとも人間を苦しめるものでもあります。
その扱いを感情的な行動によって台無しにしないようにしたいものです。
それには、自分の意思を行動に移そうとしたとき、なにがどのようなメカニズムで邪魔をしているのか、その存在をはっきりとさせたいものです。

▼下の表の項目で思い当たることがあればチェックしてみてください。

1 すぐに疲労感をやわらげたいと思いますか?  
2 不快感があっても辛抱して落ち着いて判断することができますか?  
3 不快感があるとすぐに取除きたくなり、すぐに自分に除去するように自分に指示しますか?  
4 重要なことを続けるために、少々の不快感に耐えることはよくありますか?  
5 ストレスと感じたときに、休憩、中止、止めることはよくありますか?  
6 不快な感情と向き合い調整できるタイプですか?  
7 ネガティブな感情に耐える力があると思いますか?  
8 気分や感情で予定や自分との約束を守れなくなりますか?  
9 仕事を義務的にしなくてならないことだと日頃から思っていますか?  
10 目標達成のために計画を立て実行することに抵抗や違和感を感じますか?  
11 誰のためにやっているのか分からなくなることはありますか?  
12 自分の欲求が、軽視されていたり、無視されていると感じますか?  
13 新しい挑戦に不安を感じますか?  
14 変化に対処する自分の能力に不足を感じますか?  
15 自分の欲求が邪魔されていると感じることは多いですか?  
16 目標からそれていくとき疲労感を感じますか?  
17 他人と衝突しそうになると、自分の意見を抑えますか?  
18 他人からの批判を想像することが多いですか?  
19 目標達成をしないといけない状況や条件に怒りを感じますか?  
20 自分と他人の距離感やバランスが悪いと感じますか?  

該当した項目はどの程度ありましたか?

×が適正のものを○にした場合、自分が注目するポイントを間違えた態度であることを意味しています。達成するべき目標ではなく、自意識に注目しているのです。
目標に注目していないので、目標達成が困難になるのは必至です。

×、○、×、○、×、○、○、×、×、×
×、×、×、×、×、×、×、×、×、×

誰にとっても、背伸びした目標を達成する努力は、多かれ少なかれ精神的、肉体的に苦痛をともなうものです。
苦痛を感じるのは、背伸びした分だけ潜在能力を引き出さないと達成できないからです。
だから成長します。

それにしても、未来の保証がされていないことに取り組む場合には、不安になります。
この状態に対して自己憐憫(じこれんびん)に陥ると、自分を甘やかしてしまいます。
違う見方をすると、自分の価値の値引きです。
「自分には荷が重すぎる」という解釈のうえに、「こんな重い荷を背負っている自分が可哀想」がついた二重値引きです。
二重の値引きをしたところから、目標達成に挑むのですから、レースでいえばスタートラインが正規の位置より後方に離れたところにあるのと同じです。
頼まれもしないハンディを自らつけていては、不利になるのは当然で、そこで、ツライ、ツライと感じると、ますます不利になります。

自分の価値を勝手に引き下げて、頼みもしないハンディを勝手につけるという、まことに奇妙なひとり相撲の依存心をふりまわし、自分をどんどん不利にすることのないように気をつけたいものです。
こども時代なら、できそうにない表情をしていたら誰かが助けてくれたかも知れません。
あるいは、できることには関心をもってもらえず、できないことをうるさく言われたかも知れません。
どのような理由があったにしろ、依存心は自分を痛めつけます。
しかも習慣性のあることです。

依存心が強いかなと感じるひとも、そうでないひとも、大人となったいま、自分で解決できる力を持っているので、必要な助けを借りながら自分でやりきると心したほうが気も軽くなります。
必要な助けを借りることは悪くありません。
自分ができることをあきらめたり、他者にしてもらうのがよくないのです。
なぜよくないのか?自分が「自分」を疎外しているからです。

自分ができることをするのに可哀想だと思う理由はありません。
「目標」に向かっていくとは、自分が「自分」を疎外しない態度なのです。
大人になって自分を疎外すると、誰も助けてくれないのが普通の社会です。
なぜなら、自分が「自分」を疎外することを許さないのが社会の良心であり、良識だからです。この良心と良識が崩れた社会は滅びます。
滅ぶ理由は先に説明した通りです。

モチベーションの意味とインセンティブ

 

■努力を不安が打ち砕く

努力の感じ方と現実のズレは自意識から生まれます。
次のグラフ1はパレートの法則(20:80の法則)に則って描いています。

成果の実感とエネルギーの関係

(グラフ1)

 グラフ1のように、エネルギーを投入すれば一応の成果はあがります。
スポーツ、勉強、仕事、何事でも、全体を100とした場合、80%までの成果は比較的容易で、メキメキと上達するものです。
だからこの図の80%レベルは使い物にならない。たとえば少し歌のうまい人ならカラオケで80%まで到達する。でもそのレベルなら、たくさんいるからプロになれない。
プロになろうとしたら97%のレベルに到達する必要があります。
 
  問題は、80%の先なのです。ある時点からは壁があるかのように変化が見られなくなります。努力しても、しても、成果が乏しく無駄に感じます。少し頑張れば、たいていの人が届く範囲なので、周囲に同じ程度の人はたくさんいます。
そんなわけですから、続行してもしなくても同じような気がします。
 本当にこんなことに集中してムダにならないのか、不安が孤独と恐怖に変わっていきます。
人にとって、時間は命そのものです。それを使ってもなにも得られないとしたら、恐怖心に苛まれても無理ありません。

グラフ1で成果を80%以上の領域は、エネルギーの投入に比べると効率の悪いものに見えます。努力に対して変化がないわけではありませんが、ある程度のレベルからは、少し進歩するために、これまでと比較にならない時間とエネルギーが必要になるので、不安から判断が鈍りだします。
中止することを合理的な判断として、やめることに抵抗を感じない人も出てきます。
努力の中止が起こります。
 
次のグラフ2は、グラフ1と同じことを、視点を変えて表現したグラフです。
グラフ1が努力量の推移から成果を観察したのに対して、グラフ2は成果の推移から努力の量を観察しています。

成果の実感とエネルギーの関係
(グラフ2)

つまり努力しても、努力しても、モノにならない状態が続いた後、ある時を境に一気に成果があらわれる状態を表しています。
他者との違いが出る領域、たとえば競争力がついたところに到達してから振り返ると、成果の実感はグラフ2(エネルギー100のあたり)のように感じるはずです。
長い間、努力しても、努力しても、芽も出ないままだったけれど、ある時(エネルギー80の努力を超えたあたり)を境に急速に他者と差がついたことを実感します。
みんなが努力をやめた後からの努力の違いが、競争力があると呼べるだけの違いになるのです。「継続は力なり」という言葉を実感として感じます。

2つのグラフはひとつの現象が物の見方、感じ方で変わることを表現しています。
グラフ1は自分の努力を中心にして観た状態、グラフ2は成果を中心にして観た時間の実感です。
自分を中心にして考えると自分の努力ばかりが気になります。
これが「他人事」状態です。

自分のことが気になるのに、他人事の仕事とはおかしな話に思えます。
それにしても自分の行為に対する報酬(メリット)が気になり、目的から意識がそれてしまうために、心ここにあらずになり他人事になってしまうのです。
恐怖心が邪魔をしています。
結果にこだわっている人ほど、結果にこだわらず行動して、逆に結果にこだわっていない人ほど結果にこだわった行動をします。

このように逆転現象が起こるのがひとの心理のメカニズムです。
自分の努力に対する報いに注目すると、「できそうにない」という悪いイメージを呼び起こしてしまいます。
一方、目的の達成を中心にして考えると、目的の実現度が気になり自分の努力の不足が気になります。努力の不足が気になれば努力を続けます。
行動が考えても仕方のないことを考える時間を奪い、努力が習慣化すれば必要以外は考えなくなります。
 
不安や恐怖は誰にでもあります。それを恥じることはないのです。しかし不安や恐怖の感情を放置しておくと、自意識を過剰にしてしまい、じぶん力を弱めてしまいます。
無理に克服しようとするほど意識が強まり、内なる不安や恐怖をさらに煽ってしまいます。不安や恐怖に適した感情処理は、いまこの瞬間の行動に集中することなのです、
 
不安と集中の間には「考えても仕方のないことは考えない」という行動があります。
「どうにかなる問題に悩む必要はない。どうにもできないことは悩んでも仕方がない。」ダライ・ラマ14世の言葉です。
行動こそが大切だと思い知らされる言葉ではないでしょうか。
そして行動するとは、タイムマシンがない世界に暮らす者にとって、過去への行動も、未来への行動もなく、いまこの瞬間の行動以外にはありません。
不安や恐怖は、考えても仕方のないことの最たるもので、考えるから不安や恐怖は起こります。
ネガティブな感情に支配されていると、何事についても、最初のグラフのように見えることでしょう。
 

わずか20%の攻防です。
コストパフォーマンスが悪く思える20%の努力を続けるのは、愚かに思えるかも知れません。
しかし、社会では卓越性こそが価値であり、それは20%の差といえます。
圧倒的な能力の優位性で、他者に勝る人は、ほんの一握りしかいません。
大半は毎日の積み重ねによって生じる小さな違いの集積を、大きな違いにして差別化を実現しています。
その差は生きる意欲、つまり動く意欲、働く意欲、学ぶ意欲の違いです。
それは根本的には、意欲がないわけでなく、「このくらいと見逃す程度」の違いです。
言い換えると、誰も気にしないことにこだわる執拗さがじぶん力の品質に変化を与えます。
不安にこだわる執拗さを成就にこだわる執拗さに変えれば、20%の孤独は突破できます。
成就にこだわる執拗さとは何か。それがライフスキルなのです。

「ライフスキル」・・・・何と味気のない言葉でしょうか。
味をつけるのは寒さを身にまとえる身体、何もない空虚に夢を見抜くまなざし、遠くまで歩ける心、恐れを一身に背負って行動するプロセスがあなたならでは味をつけます。
次のグラフは先のグラフ1と2を合体したものです。

このグラフの2つの線に囲まれた範囲を観てください。この範囲があなたの孤独と不安の正体なのです。この大きな範囲が深く闇のような海に思えるために、沈んでしまうのではないかとあなたを苦しめるのです。
 努力と成果のギャップに耐えられなくなることはあります。さらにあなたの自意識と想像が、追打ちをかけて、自己実現を阻害します。

努力と成果のギャップの大きさはつらさの実感となり、孤独の実感になります。
大きいほどイヤになるのが普通です。
その上、もとからある孤独感や、解消されていない甘えなどがあると、痛みの相乗効果が働きます。
そのため人によって実感は他者の想像を越えるものになることもあります。
他者は自分の経験から相対的に比較するか、客観的に想像して「そのくらいの辛抱は誰だってしているよ」と言うかも知れません。

それが必ずしも適切でないのは、ひとの実感は個別に違うからです。
この実感は他者には分かりません。
ですから自分が痛みを訴えても通じないことは少なくありません。
すると、自分の苦痛を誰も分かってくれないと思うようになります。
どのような感情も、他者に分かってもらい共感してもらうとすっきりします。
幼い頃から感情に注目してもらい、感情を処理してもらう経験を十分していると、成人したときには、未処理の甘えはほとんどなくすっきりしています。
それにしても、それは稀なことで、たいていは未処理な感情をもって成人しています。
誰にも分かってもらえない「つらい感情」は、次の四つの実行で処理してあげます。

・感情を知る
・感情を認める
・処理する機会を得るために感情的な行動はしない
・変化に注目して、その成果を認める

まずつらい感情の存在を知って認めます。
感情を知るという作業は、簡単なようで案外難しいものです。
自分の感情が判らないので、感情的な行動で感情を拭おうとすることは少なくありません。言葉に置き換えることが未熟なこどもに多く見受けられる特長です。

ライフスキルを構成するなかでも重要なスキル、それが自己認識スキルです。
自己認識スキルは、感情を知るスキルです。
では、順を追ってライフスキルについて説明していきます。

はじめに 【 2】計画力はマイルストーンで変わる 【 2】計画力はマイルストーンで変わる

 

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