ライフプランを破壊する「認知の歪み」10の事例

禁止れに泣かないで ライフスキル2.0
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認知とは「その人の物事の考え方、事実のとらえ方」のことです。

認知が歪んでいると、うれしいことでも悲しくとらえてしまう。それだけではありません。
より深刻なのは、自分の捉え方が正しいと信じてしまうので、単純なことが複雑になります。

認知の歪みは、早期に治したいですね。
放っておくと100年時代のライフプランを破壊してしまう「認知」をどう育てなおすか、
さっそく考えてみましょう。

認知の歪みが人生をライフプランを破壊する

認知の歪み

物事に対する考え方には、想像以上に大きく個人差があります。
このため何事にもおいても対立した意見が登場し、時には「戦争」というような最悪の事態が起こります。

同じ光景や場面に遭遇して、そこで何を感じるか、受け取り方は人それぞれの経験によって異なります。

こうした物事のとらえ方の違いに着目したのが、アメリカの医学博士であり、精神科医のアーロン・ベック(Aaron Temkin Beck)でうつ病の認知療法(Cognitive Therapy)の創始者です。

彼はうつ病の治療をしていた時、うつ病患者の物事のとらえ方に共通点があることに気づきました。

たとえば、誰にでもあるような小さな失敗について長く悩みつづけたり、小さな失敗が原因で他のこともすべて、ダメになると考え、何かうまくいっても、喜ぶことができず、これはまぐれだ。すぐにきっと悪いことが起きるに違いないと考えてしまうのです。

こうした否定的な思い込み、決めつけを、「認知の歪み」や「認知のかたより」と呼びました。

認知に歪みがあると、ライフスキルが思うように育むことができません。
またライフプランを策定しても、適切な判断ができず達成を自ら壊してしまうことが起こります。

なぜ、うまく生きられないのか

認知の歪み

「なぜ、く生きられないか」などと考える習慣は、大事なときに限って失敗するという結果に繋がります。これを繰り返すと自分でレッテルを貼ってしまうことになりますが、よく観察していると、不適切な認知をしているケースがほとんどです。

ストレス耐性が弱く、傷つくの恐れて、防衛のために先回りをして不適切な認知が目立ちます。

認知の歪みのパターンは、だれにでも心当たりのあるような思考パターンなので…
『ああ、わたしすごい当てはまってる orz 』と落ち込む方もいるらしいですが
もちろん、人を落ち込ませるためのものではないです。

「怒ったり落ち込んだりするべきではない」と人間感情を否定するものでもないです。

一番はじめにも書いたように、思考の偏りを知るための道具です。
自分のこころの問題を解決するときに、自分の認知のどこが悪いのかを知るのはとても大切ですが、
認知の歪みのパターンを知ることで、そういった部分に気づくことがカンタンになるということです。

極端に認知が違う

認知の歪み

「彼女にデートのメールを送ったが、返信がない。」 という場合、どんな感情になるでしょうか?

人によって多少、受け止め方が違うのは当然です。
受け取り方が極端に違うこともあります。

一般的に「そうは考えないだろう!」と思われるような場合、「認知の歪み」があるのは、次のような理由からです。

ストレスを多く抱えている人の問題は、まわりにストレスが多いことではなく、ストレスを感じやすい「考え方のクセ」を持っていることです。

認知行動療法という心理療法では、ストレスを感じやすい考え方のクセを「認知の歪み」と呼んでいます。

ストレスの多くは認知の歪みによって作り出されているとしています。
精神科医アーロン・ベックが基礎を築き、彼の弟子のデビッド・D・バーンズがその研究を引き継ぎました。

デビッド・D・バーンズによると認知の歪みには以下の10種類のパターンが存在すると提唱しています。

  1. 全か無か思考(all-or-nothing thinking)
  2. 過度の一般化(overgeneralization)
  3. 心のフィルター(mental flitar)
  4. マイナス化思考(disqualifying the positive)
  5. 結論への飛躍(jumping to conclusions)
  6. 拡大解釈と過小評価(magnification and minimization)
  7. 感情的決め付け(emotional reasoning)
  8. すべき思考(should statements)
  9. レッテル貼り(labeling and mislabeling)
  10. 個人化(personalization)

1. 全か無か思考 all-or-nothing thinking

白か黒か

物事について極端な結論を早く出したがる癖、ストレス耐性が弱い人に目立つパターンです。

全てか無か。白か黒か。中間がない極端な完璧主義の思考パターン。
二分法的思考(dichotomous thinking)ともいい認知障害とされています。

二分法的思考とは簡単に言うと、すべてか無か、白か黒、プラスとマイナス、善か悪という二つに一つの考え方のものです。

物事を見る時に、「白か黒かJ など両極端なものの見方、とらえ方や決断をしようとします。
実際のところ、この世の問題の多くは、「白か黒J 「0か100J など、どちらかに決めることができず、事実はそれらの中間、グレーゾーンにあることが多いので、どちらかに決めようとすることが悩みや苦しみの原因になります。

そもそも完璧はあり得るでしょうか?
白でもないし、黒でもないのが一般的です。
自分があると思えばあるし、ないと思えばありません。
完璧とは特定の状況を表す言葉ではなく、一つの概念にすぎないからです。

自分は完璧な人間だと思っている方は自分に強い自信を持っています。
しかし、何を身につければ完璧なのか?
どういう状態になれば完璧な人間になるのかは、人それぞれの主観でしかありません。

主観を尺度にするので、暴君の物差にもなるし、コンプレックスの塊にもなります。
どう転んでも使えたものではありません。

つまり、自分が思考の主(あるじ)で、思考を使う状態ではなく、自分が思考に支配されていることに気づいていない状態です。

すべての仕事で良い結果を出さねばならない。
1つでも失敗があれば、他が成功していたとしても、全て失敗したも同然だ。

こんな極端な考えを現実に持ち込めば、他人にも自分にも満足することができなくなります。
結果的に、難なくできることしかできなくなります。

未体験のことには必ずリスクがともなうのでと取り組もうとはしなくなります。

そこで、「なるほどそれはいいことだ。しかし現状では難しい。もし、できるようになればやってみたい」というYES(その通り),BUT(しかし),IF(もし)を使った構文で避けることを選択します。

本音は、確実に成功する見通しが立たないとなかなか始めることができないのです。
取り組んだとしても、目的と手段が入れ替わっていたりして、成功水準は引き下げられているので、注意が必要です。

いまあなたがいる部屋を見てください。
完璧にキレイですか?おそらく一部はある程度キレイで、一部はそうでもないでしょう。
この世の中に『完全』ほぼないに等しいのです。完璧主義は現実的ではありません。

このような考えを職場に持ち込めば、人を育てることはできません。
やらせてみて経験させて成長させようという考えはできなくなります。

ある人が完璧に優れている、とか全面的にダメである、などということは一般にありえないことです。同様に完全無欠に魅力的な人というのもありませんし、逆にどうしようもない人もいません。

つまり永久に「できるようになればやります」という言葉から離れられなくなり、相手も自分も永久に自信のある状態にすることはできなくなります。
結果的にすべてに消極的にならざるを得なくなります

現実にはあり得ない過大な要求に合わせられないので、永久に自信のない状態を自分におくことになってしまいます。

完璧と高みを目指すのは似ていて非なり。

完璧と高みを目指すのは似ていて非なり。

「完璧主義」は、物事に不十分な部分があることを許さず、完璧な状態を求める考え方や性格が特徴。客観的に外面を見ると次のようにも見えます。

  • 責任感が強い
  • 理想が高い
  • 失敗を強く恐れる
  • 妥協が嫌

根底には自己否定感が強くあり、払拭したい焦りが強いようですが、何事も腰を据えて取り組む持久力が必要である場合が少なくありません。ルーチンワークのような持久力が苦手という場合が多いようです。

自分は完璧な人間だと思うのは全人類の中で自分以上の人間は存在しないと言っているのと同じなのです。

一方、高みをめざすことは、もっとやれるはずだと、自分を肯定的にとらえます。全肯定もしないし、全否定もしません。

  • 三流の人は頑張らない
  • 二流の人が頑張る
  • 一流の人は頑張っていると思わない

という言葉がぴったり当てはまるようです。

2. 過度の一般化 overgeneralization

全てか無か

過度の一般化(=一般化のしすぎ)は、経験や根拠が不十分なまま早まった一般化を下すことです。

ひとつの事例や、単一の根拠を元に、非常に幅広く一般化した結論を下すことです。
自分の経験を信念にして、他人の意見を聞かなくなる動機になる危険があります。

多くの人は、自分の経験のないことは聞いても読んでもイメージできません。
自分の経験でしかイメージできないので、経験がないと考えようがありません。
イメージにないことは何度聞かされても理解できないのです。

理解するために「梯子(はしご)」を昇るようにイメージするための糸口が必要になります。
自分の“経験”は梯子の一歩なので、自分の経験あるいは通説から考えること自体は、特に問題というわけではありません。

そこで、十分なイメージがないことを考える場合、一般化をして、イメージを想像しようとします。
つまり「熟知していないこと」を考える場合には、過剰に一般化してしまうリスクがあるのです。

たった1つのダメな出来事を基準にして、その他の場合でも、同じように受け取って、「いつも、〜だ」「また。〜だ」と思い込みを深めることで簡素化してしまうのです。

ここでも傷つかないように先周りする防衛が働いています。

3. 心のフィルター mental flitar

「選択的抽出j ともいう歪んだ認知をする癖です。

ちょっとした欠点に集中してしまい、他のことはすて見えなくなってしまう。あるいは、ある部分にのみ強くとらわれる。“心のフィルター” は、良いことを全て遮断してしまい、悪いことばかりを思い出してしまいます。

極端に走ってしまい『今までの人生の中で、いい思い出はひとつも無い』と悲しい気分一色になってしまうのです。

ロックバンドの老舗「ローリングストーンズ」の大ヒット曲に『黒く塗れ(Paint It Black)』というのがあります。♩色はもうありません。黒く塗りつぶして欲しいのです、黒く塗りつぶして🎵あの感じですね。

うつ病の人は、鬱のとき、色眼鏡で世界を見る癖があります。色眼鏡で見なければ問題は起こりませんが、無意識にポジティブな面を遮断して悪い面だけの集中して、オセロのように黒一色に裏返してしまうようです。

 

4. マイナス化思考 (プラスの否定) disqualifying the positive

よいことも悪く受け取ります。

単にネガティプになるのではなく、成果の出ていること、うまくいってることも、低く評価して値引きしてしまいます。なにごとも、まだまだできていないと評価するだけでなく、よいことまで無視したり、悪い出来事にすり替えて考えしまいます。

5. 結論への飛躍  jumping to conclusions

飛躍

妥当な根拠もなしに早合点的に悲観的な結論に一気に飛んでしまいます。

その背景には。“心の読みすぎ”と”先読みの誤り”があります。

独断的推論・心の読み過ぎ

心の読み過ぎでは、ある人の言動・態度を悪く受け取ります。
「なるほど、私のことが嫌いなんだ」というように根拠もなしに、独自の感覚で読んでしまいます。

先読みの誤り・否定的予測

ほんの小さなことからほとんど習慣的に、誰にもにもわかるはずがない将来を決めつけてしまうのが “先読みの誤り”です。

『わたしは一生不幸だ』『わたしは生涯孤独だ』というように、“生きている間ずっと続く” という否定的な思い込みで予測をします。

あるいは、根拠もなく事態が確実に悪くなると決めつけます。
「これはきっと癌だ、もう助からない」「この交渉は絶望的だ。うまくいくわけがない」など。

6. 拡大解釈(破滅化)と過小評価 magnification and minimization

自分の失敗や悪いところを必要以上に大きく、
自分の成功や良いところを極端に小さく考え、
あるいは他人の場合はその逆に考える思考パターン

たとえば、自分が失敗をしたら『失敗ばかりのわたしは無能だ』と考えるのに、
他人が失敗をして落ち込んでいたら『そんな失敗は失敗のうちに入らないよ』と励まします。

良い気性と思われるかも知れませんが、結局は自己中心なのです。
自分には厳しく、他人には寛容
という基準に一貫性あがありません。

7. 感情的決め付け emotional reasoning

怒りで我を忘れているようなときに支離滅裂な考えをする場合があります。

『30点しかとれないなんて腹が立つ。』
『こんなムカつくテスト、何点だろうがどうでもいいよ』
『あいつはなんてムカつくヤツだ。これだけ腹が立つのは、あいつが思考がおあkしいせいだ』

感情は一瞬、一瞬のものです。なのに感情を根拠に物事を決め付けてしまう思考パターンはなにかにつけて危険です。自分だけ解っていて相手には理解できないことが多く、信頼されなくなる癖です。

8. すべき思考 should statements

  • 『30点、なんてこった。今回のテストでは合格点を取るべきなのに…』
  • 『上司なんだからもっと大人らしい行動をするべきだ』
  • 『人間関係は大事だから、人に感謝すべきだ』

というような自分で考えた基準を当然とする思考パターンです。

「~すべき」「~でなくてはならない」というような決めつける癖が特徴。
自分に課した場合、できないと一転して自己嫌悪、否定感を強く感じます。

落胆が隠された目的になった思考パターンです。

9. レッテル貼り labeling and mislabeling

レッテル貼りは分かりやすくなじみのある認知の歪みですね。

自分や他人に硬直的で、固定したイメージを創り上げて、そのイメージを固定してしまう思考パターン。

たとえば、一緒に昼食をとったときに、「脂濃い洋食より、あっさりした和食がいいな」と言ったとしたら、以後ずっと「あの人は和食しかたべないんだ」と固定したイメージを貼り付けてしまいます。相手はたまたまその時、そういう気分だったにすぎないのですが、勝手に思い込んでしまいます。

このパターンは「過度の一般化」の強力版ということもできます。

この背景には、人の価値はその人も誤ちで決定付けられるという思い込みがあります。もし、レッテル貼りが原因で失敗した場合には、「まったくもって自分ときたら……」と自分にレッテルを貼ってしまうのです。

どこまでいっても、レッテルを貼りの癖から抜け出せないのです。

10. 個人化 personalization

モノゴトの責任(=原因)の所在が、責任のない自分にあると考えたり、必要以上に自分に責任があると考える思考パターン。

『プロジェクトの失敗はみんなには責任がない、わたしが全部悪いんだ』

これの逆パターンが責任転嫁
『プロジェクトの失敗は私に責任はない、あいつが全部悪いんだ』というように、自己中心になります。これが個人間でも起こるので、他人の責任まで自分の責任、あるいは逆に自分の責任を他人のせいにしてしまいます。

人と人の間にある「境界」がゴチャゴチャになって、認知されないのです

 

認知の歪み まとめ

認知が歪んでいると「あるがままの世界」は見えなくなり、全部が歪んで見えます。

視力はあるけれど、歪曲して見える状態です。

それぞれのパターンには別のパターンと似たような部分があり、微妙にわかりにくいので、混乱しやすいと思います。

全部に共通しているのは「自己否定感」の強さと、その影響によるストレス耐性の弱さです。

どのパターンにも、傷つくのを怖れて、先回りして防衛している点です。
しかし防衛は成功せず、逆に受ける必要のなかった傷を自ら付けてしまうことになります。

相手を見ていない、聞いていない、ほとんど「ひとり芝居」同然だからです。

 

親の認知の歪みが生む13の「禁止令」

禁止令をかける母親

人は本来は成功するようにできています。

その邪魔をしているのが思い込み、決めつけから生じる「禁止令」による価値の値引きです。

禁止令が成功を妨げるだけではなく、一生を束縛します。

禁止令とは「・・・・してはいけない」と不合理な命令で、次のような事例があります。
  1. 「楽しむな」
    人は苦しみ、働くために生れたのだ。遊んだり、楽しむことをしてはいけない。
  2. 「成長するな」「親から自立してはいけない」
    おまえは私の可愛い子だから、大人になってはいけない。私から離れて成長してはいけない。
  3. 「何もするな」「成功するな」
    お前は何もできない子だ。何事も完成してはいけない。成功を禁止する。
  4. 「重要な人になってはいけない」
    お前には何の取柄もない。自分が大事な人間と思ってはいけない。
  5. 「感じるな」「感情を表に出してはいけない」
    世の中は危険で一杯だ、あれをするな、これもするな、。一人で行動してはいけない。
  6. 「所属してはいけない」「仲間入りをしてはいけない」「孤独でいろ」
    私たちは例外だ。みんなの仲間入りをするな。
  7. 「愛し合ってはいけない」
    愛情なんて気まぐれで信じるものでない。
    人を本気で愛したり、信じたりしてはいけない。
  8. 「健康であってはいけない」
    あなたは弱い子。ふつうでないのだから、外の人と違うのだから、健康でいてはいけない。
  9. 「考えるな」
    それは秘密にしておくことだ。それ以上、探索したり、考えたりしてはならない。
  10. 「知ってはいけない」
    子どものお前に何がわからないことだ。余計なことを考えてはいけません。
  11. 「子どもであるな」
    泣く、怒る、笑う、痛がる。子どもは嫌いだ。自然な感情を抱いたり、表わしてはいけない。
  12. 「存在するな」
  13. 「近寄るな」「じっとしてろ」
    「忙しいから後にして」「静かにしろ」、静かにしていると「いい子だね」と言われる。
    以上、禁止令の事例をピックアップしました。あなたの思うようにいかない原因と思うことはあったでしょうか。禁止令に束縛されていきるとは、この画像のような状態で生きることです。
100年時代のライフプランを破壊する13の禁止令
禁止令とは「閉じ込められた世界」にいるようなものです。禁止令の外の世界はどうなっているのかと疑問を持つのが気づきです。 気づけば、疑問をクリアするために、壁、扉の向こうに行くと外の世界を知ることができます。外にあるのはライフプランです。認知の歪みと禁止令が埋め込まれた人生脚本から脱却するもっとも効果的な方法を提案します。

ライフプラン

人生100年時代のマインドフルネス実践講座

マインドフルネス実践講座

 

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