シナジー効果を生み出す『1-on -1(ワン -オン -ワン)ミーティング』

ワンオンワンマネジメント ライフスキル2.0
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1-on -1(ワン -オン -ワン)とは、上司(マネジャー)と部下が1対1で行う、定期的な面談のことです。 上司は1on1を通して、部下が抱えている悩みや将来的なビジョン等を理解し、対話を繰り返すことで問題解決や気づきによる部下の成長をサポートします。 上司と部下の面談と聞いて、従来の人事面談を思い浮かべる人も多いでしょう。ステークホルダーとの間でも同じことがいえます。
Naoman
Naoman

では、1-on -1(ワン -オン -ワン)について、さらに掘り下げてみましょう!

1-on -1(ワン -オン -ワン)ステークホルダーとの関係を太くて短い最良の関係にする上で欠かせないとする最近の企業活動(ステークホルダー資本主義)では当たり前になっています。

企業活動の戦略は時代の変遷とともに変わってきましたが、1-on -1(ワン -オン -ワン)はいまに始まったことではなく、古くて新しい概念です。
仕事ができる社員とできない社員。同じ指示を出しても、対応の速さや正確さなど、成果には差が出ます。何がその差を決定づけるのでしょうか。

いきいきした職場をつくるには、①目標マネジメント・②人材マネジメント・③育成マネジメント・④予算マネジメント・⑤時間マネジメント・⑥リスクマネジメント・⑦組織マネジメントの7つの代表的なマネジメントがありますが、そのどれもがミッションステートメントを達成する上で最強にコミットメントしていてベクトルが統一されている違いではないでしょうか?

その違いを創っているのが、1-on -1(ワン -オン -ワン)の差です。ワン -オン -ワンマネジメントは先述した7つの代表的なマネジメントを串刺しにする一貫したマネジメントです。ひとりひとりは違うけれどミッション・ステートメントにあるように相手を尊敬し、相手の立場になって考えることを最優先する文化こそ1-on -1(ワン -オン -ワン)の大動脈なのです。

現代では、多様な価値観に対応できるように、目標管理とコンピテンシー(行動特性)の 2つの評価によ って構成されていて、「行動特性(コンピテンシー)」とは、人間を類型化し、優れた成果やシナジー効果を生み出す人が行っている特徴的な行動パターンのことです。1990年代にアメリカで人事採用の場で取り入れられ、近年の日本でも取り入れられ始めています。そこには「なぜそうしたほうが良いのか」というヒントが体験に裏付けされた歴史とお釈迦様の遺言である「自灯明・法灯明」に集約されたラーナードリブン (LearnerDriven)Jという主体的に学ぼうとする精神が行動特性に息づいています。

1-on -1(ワン -オン -ワン)は、行動特性と深い関連があり、高いパフォーマンスを発揮する人物に共通して見られる「行動特性」のことです。

Shouhei
Shouhei

ここでは1-on -1(ワン -オン -ワン)の特長と行動特性」の意味と活用方法、優秀な社員に見られる特性についてご紹介します。

 

1on1ミーティングとは

近年、さまざまな環境で働く社員と上司の仕事のパフォーマンスを向上させる方法の一つとして、上司と部下が定期的に対話を行う1on1ミーティングに注目が寄せられています。
ひとりひとりは違うけれど、相手を尊敬し、相手の立場になって考えることを最優先するミッション・ステートメントが功を奏して、高い生産性を実現しているのです。

その一方で、悩みも聴こえてきます。

  • 上司、部下が本音で話せていない
  • 1on1の負担が大きく、継続が困難
  • 1on1が無駄な時間になっている
  • 対話、1on1で信頼が失われている
  • 上司ばかりが話している
  • 上司によってやり方がバラバラ
  • スキルや知識、経験不足。挑戦する場所もない
  • 学んだところで仕事につながりにくい相談相手がいなくてどういていいかわからない。

大事なことはひとりひとりスイッチが違うので、個人に合ったスイッチを見つけあげることです。つまり「やりがい」を見つけて支援してあげるのが、1-on -1(ワン -オン -ワン)ミーティングであり、ミーティングの領域を超えた1-on -1(ワン -オン -ワン)マネジメントの心得です。

1-on -1(ワン -オン -ワン)に共通した行動特性

1-on -1(ワン -オン -ワン)マネジメントで実現したい目標管理の部分は、 定量的な数値目標だけではなく定性的な目標設定も行われ、定量的な部分は売上高や利益などの達成度によって評価されます。 定性的な部分については、一般的に定性的要素を可能な限り測定可能な数字に置き換えようとしますが、無理に定量化することはありません。

組織マネジメントを支えているのが5つの経営資源すなわち企業文化です。

  1. 戦略(Strategy)
  2. 組織(Structure)
  3. システム(System)
  4. 価値観(Shared Value)
  5. 人材(Staff)

たとえばマネジメントは「管理」と訳されますが、本当にそうでしょうか。
マネジメントのルーツは、野生の馬を調教し、荒野を一緒に旅して目的地に到達することです。結果だけみれば「調教」とは目的に応じて訓練することですが、長い道中をお互いを信頼して助け合いながら旅することを抜きに語れません。
つまり馬は生きるために我慢するのが「調教」ではないのです。馬が合う、合わないということばがあるように、価値観が合うことは大切なのです。

 

企業活動は採用から始まりますが、「価値観を共有できるヒト」を優先的に採用します。下の図ではコンピテンシー(個人の能力・行動特性)を10段階に分けて、「分かち合う」をゴールにした「やりがい」のレベルを10のステップにして意識的に人材を育てます。

1-on -1(ワン -オン -ワン)に限らず、私たちが英熟語を切り取って使うときに注意が必要なのは、英語を母国語として使うヒトにとって、日常の積み重ねを背景にしていることへの配慮を抜きにして使うと言葉だけが一人歩きしてしまうことです。

1-on -1(ワン -オン -ワン)がめざすこと

10ステップ

1-on -1(ワン -オン -ワン)がめざすのはゴールです。この図では『⑩分かち合い』ですが『①採用』の段階で価値観の共有が行われているので『⑩分かち合い』がメンバーに認知されていることが前提です。『⑨祝う』も含めて業績のみならず定性的要素も共有されいることが前提です。

1-on -1(ワン -オン -ワン)は主にマネジャーとメンバー間のコミュニケーションを通じて行われますが、目標管理面談で効果を発揮するのが数値化が難しい定性的要素すなわち次の章で取り上げている「ウェルビーイングを叶える心の要素」です。

非義務的な1-on -1(ワン -オン -ワン)であればあるほど信頼の絆になります。1-on -1(ワン -オン -ワン)は、一般的に期中の業務経験を通して行われますが、非義務的な1-on -1(ワン -オン -ワン)が増えると、1-on -1(ワン -オン -ワン)の頻度も増えるのでパフォーマンスの向上を支援することになります。

これをマンダラチャートで共有するほど頻度をアップするので自他ともにモチベーションに貢献します。部下からすれば仕事上のコミュニケーションに留まらずもっとも身近な「人生の師」に映ることが期待できるのです。

業績中心の1-on -1(ワン -オン -ワン)の場合、頻度が増えるほど、口うるさい上司に映り、仕事上の我慢になり、意欲の向上に繋がりません。これは明らかに間違った1-on -1(ワン -オン -ワン)です。

 

10段階のステップでは①採用の段階で②歓迎にステップアップしていて、②歓迎の段階では③触発にスッテップアップしているのです。つまり次を予想させることで心の準備をさせているのですが、不安ではなく、マネジャーが次の段階に連れて行くと信頼させているのです。

もちろん両者の共同作業ですが、不安感を除去することがやる気を引き出しているのです。不安感を除去するには傾聴がだいじなのは 言うまでもありません。
『③触発④語りかける⑤傾聴⑥感謝する』の③〜⑥は1セットと考えるのが良いでしょう。

マンダラチャートで叶える心の要素

ウェルビーイングを叶えるには、具体的で物的ないきいきマンダラと抽象的で精神的なきときとマンダラがあります。
きときとマンダラを構成している心の要素に、誰にも以下のことが挙げられます。

  1. 健康
  2. 家庭
  3. 人格
  4. 仕事
  5. 学び
  6. 経済
  7. 社会
  8. 趣味

部下の定性的要素を叶える1-on -1(ワン -オン -ワン)は、以上の8つの中で、ここでは仮に『社会』に設定します。(自分が適当と思える課題があればそれでもOKです)

つまり社会をどう生きるか、生きる場所として「社会」を設定しているので、キャリア開発支援、経験学習などは「仕事」「学び」に持って行きました。

具体的で物的ないきいきマンダラでは、次の課題を挙げています。以下の課題を達成することで、きときとマンダラも達成できるので1-on -1(ワン -オン -ワン)を励行してほしいと考えます。

  1. マインドフルネス
  2. ライフスキル
  3. ライフシフト
  4. 無形資産
  5. 金融資産
  6. ライフステージ
  7. ライフデザイン
  8. ライフプラン

1-on -1(ワン -オン -ワン)は小手先のテクニックではありません。具体的で物的な目標を追い求めるヒトのなかには、そう受け取る人がいますが、1-on -1(ワン -オン -ワン)で成果を出したヒトには、コンピテンシーで明らかな違いを発揮しています。そのひとつが自ら主体的に学ぶラーナードリブン (LearnerDriven)という行動特性です。一人ひとりが 「なぜそうするのか」を考え、納得して行動できるように1-on -1(ワン -オン -ワン)を通じて学ぶ、さらにマンダラチャートに組み込むことで、実践を繰り返してライフデザイン〜ライフスキルにしてしまうのです。たとえば大谷翔平さんのチャートにある「ゴミ拾い」という課題がそうですね。

▶︎マンダラチャートはここからダウンロードできます。

Shohei~Chart(マンダラチャート)

ブッダに学ぶシステム思考「自灯明、法灯明」
「自灯明、法灯明」はお釈迦様の遺言とも言うべき重要な言葉です。 この言葉の意味を理解すれば「仏教」が宗教ではなく、哲学さらに心理学であると思うでしょう。 自灯明、法灯明 ただ誰かから聞いたからといって、それを信じるな。 何代も受け継がれたか

1-on -1(ワン -オン -ワン)ができる人、できない人の違い。

人生100〜150時代は、自由で豊かな人生設計が可能になりましたが、実践するには、ふさわしい「スキル」が必要になりました。変遷する社会にふさわしいスキルが求められるので、自ら希求する必要があり、中途半端でありふれた予測と、救いようもなく古いうえに不完全なデータの断片だけでは、自由で豊かな人生設計は一転、孤独と貧困に陥ります。

その選択は自分に委ねられています。正しい選択ができるように認知の歪みがないように、「無形資産」「金融資産」を育む暮らしをしておきましょう。1-on -1(ワン -オン -ワン)を通して一人ひとりに見合った適切なアドバイスをしてあげることもリーダーの重要な役割です。

どこで働けば、どう働けばいちばん稼げるのか。すぐそこにある未来に備えて、どういった能力を磨けばいいのか。どのようなキャリアの道筋を描けばいいのか?そんな質問を投げかける若い学生も多いはずです。

すでに現役で働いているマネジャーは、いつどんなタイミングで退くべきか、そのあとの長い人生をどう過ごすのか、その準備はできているのか。実家が農家のマネジャーは、自分は農業を引き継げばいいので、心配は要らないといったが、昔から1-on -1という言葉が流行る以前から1-on -1(ワン -オン -ワン)を実践してきたマネジャーは怒りに震えていた。彼は実家が裕福な社員はともかく、ここでしか生きられない社員が未来も安心して働ける環境を創ってやるのが自分の任務だと断言してきた。

ポパイそのために会社を発展させなければならいと、自ら主体的に1-on -1(ワン -オン -ワン)マネジメントを励行してきたのです。彼の1-on -1(ワン -オン -ワン)の口癖は、(誰とは言わず)「ここでしか生きることができない者ののために力を貸してくれ」だった。そしていつ去るかも知れない者が「どこで生きることになってもその職場で立派にやり切れるように鍛えてあげることでした」

エゴグラム

「自分は農業を引き継げばいい」というマネジャーはエゴグラムでは自分を抑えて従順な子どもの心が高いので、部下を使えず、偽りの自分で対処してきたストレスに対する復讐でしかないのです。

PAC三つの心

人間には親の心(P)、子どもの心(C)、大人の心(A)があります。さらに親の心にはCP、NP、子どもの心にはFCとACがあり、理性的で客観的な大人の心(A)があります。
子どもの心には子どもの自由な感情・環境へ反応の自我状態で、FCとACに分けられます。FC(自由な子供の心)は、自分の欲求・感情に従って行動する自由な子供のような心。明るく、無邪気です。AC(自分を抑えて従順な子供の心)は、自分の感情を抑えて他人に良く思われようとする従順な子供の心です。

1-on -1マネジメントができるマネジャーには、FC(自由な子どもの心)を土台にして5つの自我の出し入れが行えるスキルが必要で、そのライフスタイルは私はOK,あなたもOKという自他肯定であらねば、部下はもちろん、ステークホルダーとも良い関係が構築できません。つまり人間関係に触れる以前に対等なコミュニケーションができなければ好ましい人間関係は築けないのです。自他肯定の交流とは、交流パターンがどれも交叉していないのがわかりますが、交叉しない、させないのが「社会人基礎力」の真実です。

1-on -1(ワン -オン -ワン)にできること

1-on -1(ワン -オン -ワン)にできることは、先に説明した『きときとマンダラ』の精神的な81項目の達成と『いきいきマンダラ』の物的な81項目です。

  1. 健康
  2. 家庭
  3. 人格
  4. 仕事
  5. 学び
  6. 経済
  7. 社会
  8. 趣味
  9. ウェルビーイング

いきいきマンダラ

  1. マインドフルネス
  2. ライフスキル
  3. ライフシフト
  4. 無形資産
  5. 金融資産
  6. ライフステージ
  7. ライフデザイン
  8. ライフプラン
  9. ウェルビーイング

真に自由で豊かなライフシフトをしょうとするなら、それにふさわしいスキルが要求されます、逆にスキルを磨いていないと、思うような仕事につけません。人生100〜150年と考えてライフプランを設計して、無形資産(生産性資産・変身資産・活力資産)金融資産を育みます。上司と部下の関係の場合でも、社内のキャリアアップに終始せずに部下の人生を親身に考えた1-on -1(ワン -オン -ワン)ミーティングを心がけましょう。

従業員の動機付け(モチベーション)は、よく言われるように “やりがい”を持たせることが重要です。やりがいがあるからこそ “やる気”が生まれ、モチベーションが高まり自ら自律的に行動するように なります。

1-on -1(ワン -オン -ワン)でジョイを高める

では、やりがいを持たせるために必要な要素とは何でしょうか。
それは、仕事が収入を得る代償としての労働の提供だけではなく、 “仕事が楽しい”と感じて働いてもらうことです。

ではどうすれば楽しくなるのでしょうか。それには、無邪気な子どもがヒントになります。

  1. 目標を共有しみんなと 一緒に立ち向かっているという一体感、
  2. 一体感を生むコミュニケーション
  3. 目標を達成できた、やればできるという成功体験と自信、
  4. 自分の考えで仕事が進められる権限と責任の両立、
  5. 他人か ら認めら得られた賞賛(結果よりもプロセスへの関心)などが必要になります 。

まとめ

「指揮官になろうとしないで、人生を謳歌する先輩になる」つもりで、1-on -1(ワン -オン -ワン)でジョイを高める練習を重ねます。練習を重ねるというと人為的なイメージが強くなりますがそうではありません。命令・指示するだけの方が断然、楽だからです。
しかし結果は見えています、強面で接することが苦手な場合は、生産性は低く部下も育ちません。強面で動かして、生産性は低く、退職率も高く、部下も育ちません。

退職率が低く自律できるのは、ミッションステートメントを達成しようと主体的に関わってくるのは、無邪気な子どものように仕事を楽しんでくれるヒトです。支えてあげられるのは1-on -1(ワン -オン -ワン)でジョイを高めてあげるマネジメントができることです。

自ら主体的にブラック企業と言われかねない働き方をしてくれるヒトです。努力は夢中に勝てません。ヒトは子どものように夢中で打ち込みたい生き物だからです。だから1-on -1(ワン -オン -ワン)を通してワークライフバランスへの配慮が上司(マネジャー)に必要になります。

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