ロックンロールしていますか。ロックンロールは「気構え」と解釈してくださいね。
「一人一宇宙」といいます。お釈迦様が説いた概念です。
誰も自分の世界から出ることはできないし、入ることもできない。
どれだけワンダフルな自分の宇宙は作るかは、自分次第。
目標は、売上目標、改善目標、生産目標・・・という具合に表現されます。
目標もビジョンも方向性を示すものという点では同じですが、ビジョンは将来のあるべき姿を描いたもの、将来の見通し、構想、未来像であり、目標はビジョンを達成する一里塚であり、ビジョンは目標を達成する原動力、モチベーションです。
ビジョンを育てる第一条件は、自分のビジョンを将来実現できるという心からの信念です。
「私のビジョンは達成できる」と口にはするかもしれない。
しかし、いま自分を取り囲む現実を他人のせいにしている限り、ビジョンは現実にならないのです。
ビジョン、そして目標を現実にするために、自分の宇宙に引き込むのが、ここでいう目標設定スキルです。
ライフシフトのための目標設定
人生100年時代のもっとも大きな懸念は「ライフシフト」です。
ライフシフトは、目前の目標と違って将来のあるべき姿、将来の見通し、構想、未来像です。
ビジョンから逆算して目標設定することで、現実に引き寄せます。
ライフシフトは、自分探しからはじまり、ハッピーリタイアに至るワークシフトの歴史を、どれだけ豊かに自由にやり遂げるかという課題。ライフシフトを裏付けるのは「ライフプラン」であり、「ファイナンシャルプランニング」であり、そこには自身の哲学、アイデンティティーがあります。
「ワークライフバランス」を目標設定する
人生100年時代のライフシフトはワークライフバランスなしでは達成できません。
たとえばワークライフバランスという難問を目標設定する場合、どこから手をつければいいのでしょう。
昔から「子育て」への参加は、会社員の課題でしたが、終身雇用制度を免罪符にして犠牲を受容してきた側面がありました。
仕事が家庭生活と衝突するのは避けられず、「出世したいなら、犠牲を払え」という簡単な脅し文句によって、無意識のうちに、家族や個人の時間との衝突が避けられないような要求や圧力を日常化してきたのです。
しかし「ライフシフト」が当たり前になった時代では、事態は一変しました。
会社員は、自分の子供の「自尊心」を育む方法を学ぶべきだと突き付けられました。
特に管理職が所属する組織は彼らの親としての問題にどのようにかかわっているのか、そして事態を改善するために組織にも何ができるかが問われだしました。
仕事と家庭問題への関心が驚くほど高まっていて、個人も組織も仕事と家庭の不均衡を是正を放置して暮らすことは許されない事態になっています。
ワークライフバランスは、ライフシフトとは切り離せないものになっています。
ワークライフバランスを目標に組み込むスキル
ワークライフバランスの障害になるものには、単身赴任、出張、夕食会議、朝食会議、接待、賃金に反映されない残業などがあります。
一方で単身赴任を廃止する企業も出始めましたが、圧力が生じる大きな理由は、組織の目標に注目するあまり、個人の目標を排除してしまうことにあります。
いい換えれば、組織(あるいは仕事)の目標がすべてに勝るならば、その達成のために個人やその家族が払う犠牲など考慮する「余地がない」のが慣習になっているのです。そのレベルは「人生」に及んでいます。
人生100年時代の「目標設定スキル」とは、これらのタブーを取り払い、単に仕事上の目標を達成するだけでなく、家族、ライフシフトするために必要な自身と家族のスキルアップを達成することも含みます。さらに管理職なら部下のそれも達成できるように支援することも含んでいます。
この厄介なワークライフバランスをクリアするには、組織(あるいは個人事業主)が動かないと個人がいくら考えてもビクともしません。
ビジョンを明確にして、組織と共有、プロセスの目標設定していきます。
プロセスの目標設定は「入れ子構造」
この図は、ワークライフバランスのステップではありません(新入社員採用から戦力化のステップ)が、ワークライフバランスの場合次のようにステップごとの目標が必要になります。
- ビジョンの明確化
(いつまでになにをどのように達成して、何を分かち合いたいのか) - 障害のリストアップと事前対策
- プロジェクトチームを作る
(チーム編成・名称・専任者選定・ワーキンググループ編成など) - スケジュールを策定する
(期間設定・サイクル・情報収集) - 社内のニーズを掌握する
(目的の明確化・アンケート・インタビュー・フィードバック) - 導入プラン策定
(就業規則の見直し・失敗事例の精査・自己管理支援制度の検討・行動計画) - 経営層の理解と承認を得る
(経営メリット提案・プレゼン・経営層応援プラン・就業規則案) - マネジメント層へ協力依頼
(状況説明・マネジメント&サポート手段提案・メリットの共有) - 計画の告知と実行
(広報・裏表コミュニティ活用・モチベーションコントロール・セミナー) - チェックとフォロー
ステップごとに目標となるテーマがいくつもある「入れ子構造」に注目しましょう。
それらをやり遂げないと、各プロセスは達成できず、ビジョンも未完に終わります。
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人生100年時代の「目標設定スキル」とは?
つまり「目標設定スキル」とは、「システム思考」であることが条件です。
システム思考とは、相互依存の関係にあるものを、全体像(システム)として捉えて、それぞれの要素が与える影響や作用を把握して、課題解決や施策を検討する手法です。たとえば空海が密教の教えをビジュアルで伝えるツール「曼荼羅」がそうです。
システム思考しなければ「自己マスタリー」も達成できないのです。「自己マスタリー(Personal Mastery)」とは、自分自身が心底から望むビジョンや目的の実現に向けて、真剣に生きようとするプロセス(過程)のことで、職人のように習熟度を求める態度です。
自己マスタリーなしに人生100年時代を幸福に生きるとしたら、物質まみれになるしかなく、言い換えるとお金しか頼るものはなくなり、つまりお金に束縛されるしかないのです。
これはファイナンシャルプランニングとかけはなれた発想です。ファイナンシャルプランニングはお金の設計をしますが、その本意はお金に束縛されずに自由に真に豊かな人生を生きるためです。
個人の将来のビジョンを喚起せずに組織がビジョンの共有をうながすことはできません。
個人のビジョンはつねに複数の側面をもちます。個人の、職業上の、組織としての、さらに家族としての生活に対する強い欲求が同時に存在していて、「目標設定スキル」は、それを実現することに他なりません。つまり「目標設定」は、個人の仕事と生活のすべての局面とは自然なつながりで結ばれていることにフォーカスします。仕事と家庭の間に不自然な境界をつくることはビジョンの天敵なのです。
では、そのプロセスで必要なスキルを浮き彫りにするには、どうすればいいのでしょう。
「ファイナンシャルプランニング、つまり金融資産と無形資産を含むライフプラン」の策定です。
これによって自分の人生を個人に取り戻し、その支援を通じて、組織は個人と一体化するのです。
これは一時流行ってすぐに失敗した「成果主義」のことだと判ります。つまり失敗の理由にヒントが隠されていて、成功する成果主義は、上の「ワークライフバランスのパターン図」で示した理想のパターンの実現です。それは構造そのものがつねに不均衡を導く「両立しないパターン」からの脱出です。「出世したいなら、犠牲を払え」という圧力からの脱出です。
本当にワークライフバランスをめざしているのか
る
自分のビジョンは本当に仕事と家庭のバランスをとることなのだろうか?
自分はどのくらい本気なのか?
簡単にバランスがとれるのなら、もっとたくさんの人がそうしていはずです。
この問題を嘆く人は多いが、希望するバランスを達成するための意識的な選択をする人はほとんどいないのも現実なのです。
たとえば新型コロナウイルス対策で、リモートオフィスが奨励されても、どの程度の人と組織が本気で検討したでしょうか?できない理由ばかりがメディアによって報じられましたが、そのやり方の実際と恩恵を報じることは少なかったようです。
意識的な選択をするには、家庭の時間について自分の目標をはっきり定める必要があります。
たとえば、夜は何時に家に帰るか?夕食会議はどうするか?週末はどうするか?などがそうです。
夕食までに帰宅するよう自制する、週末のゴルフをやめる、夜の商談を減らす。こういった事柄は小さなステップのように見えますが、バランスというビジョンを具体的な目標に変換するには、この種のステップが不可欠になります。
ビジョンをもたずにただ目標だけを定めても、その目標が実現できないとわかると元に戻るのはどんな場合も共通です。
はたしてリモートオフィスが成功するために、どのようなビジョンと目標が必要なのでしょう。
ワークライフバランスを守れば組織で浮いてしまう
組織によっては、仕事と家庭のバランスというビジョンを守る立場を貫けば、キャリアを伸ばせないかもしれないリスクがあります。
こういった立場をとる人は自分も同じようにしたいと思っている同僚たちからの敬意の対象になります。にもかかわらず、この立場が同時に摩擦を生むこともあります。
とくに、仕事と家庭のバランスをとった人と、そうでない人の間に摩擦が生じます。
育児休暇の問題も同じです。
このような状況で有効なのが「自己管理」の方針です。自己管理は、中身が重要なのです。
自分にとって何が本当に重要なのかを見きわめた、真に優れたシンプルな「自己管理」は個人生活はもちろんですが、組織人としてのメリットも計り知れません。
- 自分にとって何が本当に重要なのかを見きわめる。
- 選択をする(約束する)。
- 自分の選択について、周囲の人に正直に振る舞う。
- 周囲の人の同意や、うわべだけの協力を求めない。
- 仕事と家庭に関する個人の選択の結果は、ある程度、組織全体の環境に左右される。
「仕事と家庭」の自己管理の方針を統合する
自分にとって何が本当に重要なのかを見きわめたら、それを自己管理の方針にします。
『学習する組織』の五つのディシプリンを実行することによって、身につく価値観や習慣はビジネス同様、家庭を育てるのにも役立ちます。
これは好循環に誘い込み、よい親になることが、学習できる管理職になる訓練であると同時に、学習できる管理職になることが、子育ての練習になります。
組織が、人々の心を大切にしながら、仕事と家庭にひとしい意味をもたせる価値観を育んでいけば、仕事と家庭の衝突は劇的に減ります。そのときはじめて人々、特に管理職にある人は二つの規準で生きることをやめ、一人の人間に帰っていきます。
まとめ
目標もビジョンも方向性を示すものという点では同じですが、ビジョンは将来のあるべき姿を描いたもの、将来の見通し、構想、未来像であり、目標はビジョンを達成する一里塚であり、ビジョンは目標を達成する原動力、モチベーションです。
ビジョンを育てる第一条件は、自分のビジョンを将来実現できるという心からの信念です。
「私のビジョンは達成できる」と口にはするかもしれない。
しかし、いま自分を取り囲む現実を他人のせいにしている限り、ビジョンは現実にならないのです。
ビジョン、そして目標を現実にするために、縁起を超えて、自分の宇宙に引き込むのが、ここでいう目標設定スキルです。