良い「気」を放つ物で6つの気づきとひとつの行動で5つの心を整える

ライフスキル2.0
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私たちは持っていないものより、すでに持っているものに関心が薄くなる傾向があります。愛情、モノ、情報や知識、健康、エネルギー、智慧などすべてに言えることです。不足を補いたくなります。裏を返せば失う不安をいくつも抱えていて、それらはほとんど無意識です。一方、人生の達人はいまを喜ぶことに熱心です。

目に見えない不安、お金を損する不安、所有を失う不安、後悔する不安、取り組む不安、変わる不安、退屈への不安、孤独への不安、何もない状態への不安、後ろめたさへの不安、捨てる不安、見捨てられる不安、自分を知る不安、空虚への不安、老いる不安、病気への不安、ルーティンへの不安、ヒトから蔑まされる不安など、限りない不安に注目しないのです。
イーロン

では彼らは何に注目しているのか探ってみましょう。他人の価値観、情報に振り回されずに、余計なモノを処分して、良い「気」を放つモノだけを身近に置いて、6つの気づきとひとつの行動で5つの心を整えて自分の文化を大事にしていることです。

Naoさん

あなたがつらい時を応援するいきいきゴエス協会の<お粥さん『食禅』プロジェクト>の⑨です。困ったらいつでもご相談くださいね。
無料でどんなことにもお答えします。

「気」とは

日本人(東洋人)は「気」を気にします。つまりエネルギーです。
フェティシズ(物神崇拝)、風水、場所、家具などモノにまつわる不思議な現象を説明しょうと努力してきましたが、これらは「波動」に関係しています。波動はシンクロニシティにも影響します。
その根本は直感、予感だったり自意識の影響なのか正直わかりません。辿っていくと山岳信仰、神に行き着きます。山岳は、水、獲物、資材の源泉でした。
さらに死者の霊魂は山に上ってゆき、年忌供養をするうちに浄化され、三十三回忌には神になり、神と一体化した先祖の霊は近くの山から子孫を見守る、と日本では考えられてきました。里に近く特徴的な山は、こうした死者の行きつく場所として畏怖されました。
山岳を崇めていたのは、山中で修行をする修験者や山麓で水の恩恵を受ける農民だけではありません。
漁民や船乗りなど海で生きる人々にとっても重要な存在として信仰の対象でした。
空海が唐に渡った時代、航海技術が未発達だったため、陰陽師と卜部(うらべ)に頼ったほとんど運任せの航海で4隻のうち唐に到着できたのは空海、最澄を乗せた2隻だけでした。
船乗りは海上から山や岬を目標にして船の位置を確かめていました。
この技術は、「山アテ」や「山タテ」といわれ、マスターしなければ航海ができないといわれるほど重要なものでした。

山岳信仰と世界

山を神聖な場所として崇拝する山岳信仰は、世界中の国で見ることができますが、日本のように山に登ることで神や仏と一体化するという考え方は、とても珍しいものです。
日本で長く女人禁制だった理由は「女性は月経や出産による血の穢れがあり、山の神が怒って天災をもたらす」と考えられていたからです。
日本では神の棲む場所でしたが、ヨーロッパでは、山は悪魔が棲む危険な場所とされており、山に登るなど考えられないことでした。西ヨーロッパ最高峰のモンブランも18世紀ごろまでは「呪われた山」と呼ばれていたそうです。
このように理性を超えて影響を及ぼす可能性がある「気」には心理的に注意が必要です。
大切なヒトからいただいた高価なものであっても、ネガティブな影響を自分が感じるとしたら、お返しするなり手元から離すことが賢明です。
自分の周りには愛を届けてくれるものだけに限定しましょう。
愛こそは守り神です。いつも愛をありがとうございます。大切に今日も頑張ります。
「いただきます」「ごちそうさまでした」その言葉に愛は宿っていますか?

元気が出る良い「気」を放つモノ

自分の周りには愛を届けてくれるものだけに限定しましょう。
良い気を放つ席やお店、病院がある一方、ネガティブな影響を感じる場所があります。

私は病院やお店で明らかな違いを感じます。元気が出る病院では看護師さんが温かくみんな元気です。一方逆の場合もあり、親切なのですが冷気が漂っています。

この違いは「採用」にオーナーの人柄が反映しています。保護的な親の心が強いオーナーは自由で無邪気なヒトを採用する傾向が強くいつの間にか全員が暖かいヒトになっています。厳格な父親の心が強いオーナーのもとには、順応する従順なヒトが多く集まります。
全国チェーンのカフェでも管理者の傾向で同じようになります。

実際に自分が主導してアンケートをとった事例がなんどもありますが、ネガティブな店には従順な子どもの心を持ったヒトが集中していました。

ヒトには5つの心があり、愛のあり方も変わります。

親(parent)の心。大人(adult)の心。子ども(child)の心。
頭文字をとってP.A.C。3つの心は5つに分かれます。

親の心には、厳格な父親の心(CP)、保護的な母親の心(NP)があります。
子どもの心には、自由で無邪気な心(FC)。従順な子どもの心(AC)があります。

  • CP=厳しい心。規律的で理想に傾斜する父親の心。
  • NP=母性の心。優しく保護的な心。
  •  A=大人の心。冷静で理知的な心。社会生活を送る上で必要な心です。
  • FC=自由。天真爛漫で無邪気な子どもの心。
  • AC=順応する、いい子を演じようとする抑圧的な心。

人によって成育環境が違うので、5つのP.A.Cのバランスが違います。
バランスの違いは、生きずらさにもなりますので、PACのバランスを整え方をご説明します。

エゴ(=自我)グラム

自我をアンケートした性格分析は、アメリカの精神分析学者エリックバーンの開発した交流分析法です。

  • CP=厳しい心。規律的で理想に傾斜する心。
  • NP=母性の心。優しく保護的な心。
  •  A=大人の心。冷静で理知的な心。
  • FC=自由。天真爛漫で無邪気な心。
  • AC=順応する、いい子を演じようとする心。

人間の性格は、親から受け継いだものや、育った環境、その人の年齢、経験などさまざまな要素で作られます。

その中身を見ると上のグラフのように5つの心のバランスの違いがあることが解ります。

5つの心のバランスを変える、もっとも手軽な方法は言葉、態度を意識的に変えることです。

5つの心のバランスを変える

5つの心のバランスで、特に注意したいのは、従順な子どもの心です。

従順な子どもの心は、「AC順応する、いい子を演じようとする心。」のことですが、「CP厳しい心。規律的で理想に傾斜する心。」が反転したものと考えていい心です。
その理由は、厳しく育てられるので、従順にならざるを得なかった子ども時代を思い浮かべていただくと解ると思います。

逆に、自由な天真爛漫で無邪気な子どもの心は、「NP=母性の心。優しく保護的な心。」が反転したものです。

キャキャ言いながら走り回っているこどもの姿を思い浮かべていただくと解るように、本来の子どもは、自由で天真爛漫です。それを親が躾けることで、周囲に配慮するようになっていきます。

もし、そのまま放置していたら、大きくなってもキャキャ言いながら走り回っているでしょう。

さて、理想的なバランスを考えたとき、

  • 厳格な父親の心が強すぎると「パワハラ」になってしまいます。
  • 従順な子どもの心が強すぎると、主張がなく信頼性に欠ける人になってしまいます。

なので

  • 厳格な父親の心を弱めるには厳格な父親の心を減らし、保護的な母親の心を強くします。
  • 従順な子どもの心を弱めるには、自由で天真爛漫な子どもの心を強くします。

「厳格な父親」を減らす言葉

• あなたの問題だろう
• あなたのせいだ
• どうにかしろ、なにやってるんだ • 当たり前だろ
• ダメだろ
• しっかりしろよ

「厳格な父親」を減らす態度

• こまかいことまで注意しすぎない
• 約束を守れなかった場合や間違いに感情的にならず理由を聞く
• 最後までやり遂げられるようにプロセスに注意しプロセスでサポートする • 良い点に注目して、いたずらに厳しくしない
• 助けの手を貸さない
• 減点主義でユーモアがない

「保護的な母親」を育む言葉

相手の気持ち、感情を認める言葉を多用する

• よくできたね
• そこがあなたのいいところですね
• いい趣味ですね
• 最近、どうですか
• あなたは私の(我が家の、我が社の)大事な人ですね。
• つらいですね、悲しいですね、いやですよね

「保護的な母親」を育む態度

プラスのストロークをギフトする
• 好ましい点をほめる
• 個人的な関心を示す
• 適切な機会をとらえて小さな贈り物をする
• 相手のネガティブな言葉や態度に反応しない
• セルフコントロールを支援する
• 遠慮していると感じる場合にサポートしてあげる

「自由(無邪気)な子ども」を育む言葉

• それはおもしろそう
• やってみましょう
• 私も仲間に入れてください
• 美味しいですね
• ユーモア、冗談を増やす

「自由(無邪気)な子ども」を育む態度

• 空想を楽しむ
• 楽しい気分に浸る
• 芸術・スポーツ・映画を楽しむ
• 不快感に時間を多用しない
• 人生や人間の明るい面に注目する

「AC=順応する、いい子を演じようとする心。」の強い人がどのような人生をおくるか真摯に考えてみてください。占いでもなんでもありません。科学的なデータの結果です。

そして不思議なことに「組織単位」でアンケートを収集すると、「組織そのものが順応する、いい子を演じようとするひとが集まっていることがおこっていることに気づきます。

意識してそうしたわけではないのに、ほとんどが「順応する、いい子を演じようとする人ばかり」というのは、明らかなに組織に欠陥があることを意味します。会社法的には70名以上なので大会社に分類される事業規模です。日本は世界的に労働生産性が低いことと無関係ではありません。

見せかけの帰属意識が強いのでしょう。前近代的なワンマン経営者がすべてに口出していて、自分の知らないことには無関心。お互いに信頼感はないけれど、利益が出ていたらOKの風土だと想像がつきます。これに耐えられない人はすでにやめていないのです。

P.A.Cのバランスで「認知の歪み」が生じる

P.A.Cのバランスで「認知の歪み」が生じることがあります。

たとえば「AC=順応する、いい子を演じようとする心。」が強いからと言って実際に「いい子」であるとは限りません。生きていくために見せかけのいい子であって、本心を抑圧するのが習慣になってしまった人がいます。

この場合、処世術でしかないので、人が見ていないところでは別の人格が出る可能性があります。
であるなら、歪みなく世の中を見ていない可能性もあります。

5つの心のバランスは、認知と深く関わっています。

会社や家族の致命傷になる「認知の歪み」は是正するべし

「認知の歪み」を個性だと考えて、「おれは世間の奴と違うんだ。馬鹿め」と内心で思う人が実際にたくさんいます。しかし、おかしいのは自分自身なので気をつけましょう。

「認知の歪み」は、個性ではなく「歪んでいる」だけなので、欠陥品に相当します。

組織にとって「認知の歪み」があると、失敗の根本原因になります。
スペシャリストとしての専門スキルが優秀でも、人としてのスキルという点で様々な悪影響が生じるリスクがあります。

認知の歪みは「考える癖」として表れるので、自分に悪意はなくても、誤解を招いたりするので、早期に修正するようにしましょう。

相手が学生の場合なら、認知の歪みを、指摘する人もいますが、社会人となると部下でもない限り指摘する人はめっきり減ります。それ以外は「悪友」ぐらいに減ります。ところが「悪友」の場合は是正にまでいかないケースが多いのであるがたいご意見も受け入れずに終わりがち。

特に「ひとり会社」だと、相手は部下ではないので指摘することもなく、縁切りされるので注意が必要です。

主な認知の歪みには、次のものがあります。

  1. 全か無か思考(二分法的思考〜all-or-nothing thinking)
  2. 般化のしすぎ(overgeneralization)
  3. 心のフィルター(mental flitar)
  4. マイナス化思考(プラスの否定〜disqualifying the positive)
  5. 結論への飛躍(jumping to conclusions)
    • 心の読みすぎ
    • 先読みの間違い
  6. 拡大解釈(破滅化)と過小評価(magnification and minimization)
  7. 情的決め付け(emotional reasoning)
  8. べき思考(should statements)
  9. レッテル貼(labeling and mislabeling)
  10. 個人化(責任転嫁〜personalization)

認知の歪みは、家族、学校、社会、メディア、あらゆる場所に氾濫していますが、取捨選択するのは自分です。自分が生きやすいように取捨選択した結果が自分の認知です、

歪んだ心構えで、どんなに執着しても望む結果を得ることはできません。
得たとしても砂の城なので、すぐに崩れます。

ぜひぜひマインドフルネスで認知の歪みを是正してくださいね。

「心のフィルター(mental flitar)」を外す

現象はそのままに現象です。山は山です。川は川です。

ところが自分の脳の思い通りに解釈して、現象を捻じ曲げる「心のフィルター(mental flitar)」を習慣的に使っていると、トラブルが生じます。

認知の歪みを「個性」と都合の良いように決めつけて、世の中を見ていると必然で疲れてきます。
「私にとって良いだけ」で、周囲の人には迷惑になる場合がほとんどだからです。
「私にとって良い」は共感できないに通じていて、共感の心を忘れると「傲慢」になります。
「私にとって良い」は囚われでしかないからです。

共感は慈愛に通じています。
慈愛は英語にない言葉ですが、近い言葉にcharity,love,empathy(共感)があります。

ビジネスではなにかと会議の場面に遭遇します。
自分の囚われた言葉しか話せない人と会議しても会議になりません。
共感も慈愛もない会議には、そもそも根本的な目的が同じでないので、会議になりません。

「私にとって良い」という「心のフィルター(mental flitar)」を外していくと、世の中が別世界のように見えてきます。

「心のフィルター」を外せば「あるがまま」に見える

心のフィルターを外すと「あるがままに」「現象のままに」見えます。
マインドフルネス、つまり対象になりきりやすくなります。

「私にとって良い」が勝手な思い込みではなく、真実に近づき、人生が真実の物語になっていきます。

随所に主たればマインドフルネス

真実の物語を生きるために、ブッタは「随所に主となる」と説かれました。

世の中というものは、真理に満ちています。

  • 「一切皆苦」・・・・人生は思い通りにならない
  • 「諸行無常」・・・・すべてはうつり変わるもの
  • 「諸法無我」・・・・すべては繋がりの中で変化している
  • 「涅槃寂静」・・・・真理を見ることができる境地”さとり”

私たちの生きる内外の世界では、一切皆苦をはじめ、なにがあっても不思議ではありません。

いつどこにあっても、いかなる場合でも何ものにも束縛されず、主体性をもって真実の自分として力の限り行動するなら、いつでもマインドフルネスな自分を発揮できます。

何ごとにおいても、いついかなるところでも、真実を把握して、いかなる外側の世界の波に巻き込まれたり、流され、翻弄されることもありません。

そのとき、その場になりきっていれば、マインドフルネスに諸行無常を楽しめます。

どのような境遇、身の上であっても、自在の働きが出来るようになります。

これは、ひとり会社にとって、自他共に信頼のおける活動が現実になることを意味しています。

「心のフィルター」を外すための入口として、マインドフルネス瞑想があります。

PACのバランスを整えるマインドフルネス

家族、会社にとって、5つの心のバランスが悪いと致命傷になります。だからこそ「心のフィルター」を外すことは、大きな効果になります。

  • CP=厳しい心。規律的で理想に傾斜する父親の心。
  • NP=母性の心。優しく保護的な心。
  •  A=大人の心。冷静で理知的な心。社会生活を送る上で必要な心です。
  • FC=自由。天真爛漫で無邪気な子どもの心。
  • AC=順応する、いい子を演じようとする抑圧的な心。

いくらビジネスで頑張っても、認知の歪むが台無しにしてしまいます。

「ライフスキル」が適切に機能しない事態が慢性的に起こります。
これは悲劇的なことですので、是正に取り組みましょう。

しかし潜在意識の底にあるネガティブな感情うぃ自分では把握困難なので、エゴグラムからはじめて順番に整えていくようにしたいものです。

完璧を目指す必要はありません。気楽に取り組みましょう。

マインドフルネス(=主体的に積極的にあるがままの自分を注意深く内観してなりきった状態)になることです。
  • 主体的に積極的になりきる=アサーティブと同じ。アサーティブであることで、苦しみには原因があることを知ることができます。
  • あるがままの自分=嘘偽りのない自分であることが癒しのはじまりです
  • 注意深く=注意深く自分を観察しないと自分を誤解します。=苦しみに気づくことができなくなります。
  • 状態=観察(内観)し苦しみの原因を取り除けることに気づいて苦痛を取り除けます。
認知の歪み「一般化のしすぎ」をマインドフルネスで是正する
認知の歪みのひとつ「一般化のしすぎ」を防ぐには、疑問を持って、適応化を探るのが鉄則です。「結果(現象)は似ていますが原因は様々」です。なので対策とは原因に打ち手を考えることなので結果に惑わされずに原因を究明(つまり本質)を発見します。結果を見て早々に原因を特定して対策を打ち出す人、カウンセラーがいるので気をつけましょう。

まとめ

5つの心のバランスは人によって違います。成育環境が違うので避けようがありません。
しかし、他人の価値観、情報に振り回されずに、余計なモノを処分して、良い「気」を放つモノだけを身近に置いて、6つの気づきとひとつの行動で5つの心を整えて自分の文化を大事にすることはできます。モノを捨てるのが流行りですが、良い気を放つものを捨てて、ネガティブなモノを身近に置いてたら気が滅入ります。他人の価値観に惑わされないようにしましょう。そのためには5つの自我からもっとも気持ちが良くなる自我を伸ばしましょう。

  • CP=厳しい心。規律的で理想に傾斜する心。
  • NP=母性の心。優しく保護的な心。
  •  A=大人の心。冷静で理知的な心。
  • FC=自由。天真爛漫で無邪気な心。
  • AC=順応する、いい子を演じようとする心。

PACのバランスを整える処方箋をお伝えしておきます。

大切なのは、6つの気づきとひとつの行動です。
  • 違うことに気づくこと
  • 違いは修正できることに気づくこと
  • 違いが認知の歪みに繋がっていると気づくこと
  • もしかと考えて、どのような歪みがあるか気づくこと
  • 気づきは実践で修正すること
  • 無形資産の土台であることに気づくこと

人生100年時代のマインドフルネス講座

ゲンキポリタン大学

禅の用語説明

お粥さん(食禅)プロジェクト

「社会人基礎力」(全6回)

コラム