ライフスキルは、全部で10あります。
10のライフスキルは、それぞれ補完関係にありますので、まとめると次の5つに集約されます。
もっとも、弱いライフスキルに他のライフスキルも引き下げられます。
1.自己認識スキル(自己認識・共感性)
2.意思決定スキル(意思決定・問題解決)
3.コミュニケーションスキル(効果的コミュニケーション ・対人関係)
4.目標設定スキル(創造的思考・批判的思考)
5.ストレスマネジメントスキル(感情対処・ストレス対処)
なかでもストレスマネジメントスキルは、すべてのスキルのはじまりです。
ストレスはメンタルモデルと深くかかわっていて、メンタルモデルはすべてのスキルに影響しています。
では、ストレスマネジメントスキルについてお話していきます。
多様性ゆえのストレス
個性に富んだ多くの生物がつながりあって生きていることを「生物多様性」といいます。生物の二文字を人間に変えると最近なにかと騒がしい「(人間の)多様性」です。
多様性を違う見方をすればバラバラということ、「生物多様性」とは、つながっていることが大切なのです。
ところがなかには心無い生物がいます。心無い生物にもそれぞれの宇宙があり、見えないつながりで生きています。自分の価値観で生きている違う生物には「多様性」を認識することが簡単ではありません。
「多様性」は人権と深くかかわっていて、人権を尊重されないことからそこにストレスが生じる素地があります。
自分を信じることができる生物は他者に依存しなくても生きていけるので、多様性を受け入れることができます。その代表格が白隠禅師のような人です。自信は三つの健全な源から生まれます。
- 知ることから生まれる自信
- 平静さから生まれる自信
- 立ち直ることから生まれる自信
そこで、そのまま放置しておくと生物によっては絶滅の危機があるので、保護の必要があります。
現在は世界中で「生物多様性」を守るために、心して「国家戦略」が策定されている状況です。
心して展開する運動、SDGsは世界に広がっています。
人は誰でも「一人一宇宙」
「一切皆苦」の根本解決からはじまった仏教では多様性を重んじる考えは2500年前からあり、多様性を認める概念を「一人一宇宙」と呼んでいます。
人は一人に見えて、実際には先祖からの因果を引きずっています。一人ではありません。
自分の宇宙からは誰も出ることも入ることもできないけれど、個性に富んだ人たちはつながっていると説いたのです。つながっているけど、入れない出られない。人間関係のストレスはそれを突破しようとして生じます。傷つけたりつけられたり。
ストレスマネジメントとは、その不文律を遵守することにあります。
人間以外の生物がなにをストレスに感じ、どう対処しているのか、研究室以外ではデータがないので皆目わからないのが現状です。
三種類のストレス
こころはもちろん身体にも影響をおよぼすストレッサー(ストレスの原因)には、大きく分けて3つあります。
「物理的・環境的ストレッサー」「化学的ストレッサー」「心理的、肉体的・社会的ストレッサー」の3種類です。これらには外的なストレッサーに起因するもの、内的なストレッサーに起因するものがあります。感じ方は人によって違うので、自分で治せるものは治すように心がけたいものですが、そうでないものもあります。
物理的・環境的ストレッサー
物理的な環境刺激のことで、光、音、温度などがあります。
光は睡眠障害になることもあり、帰宅時の電車内の明かり、スーパーやコンビニの照明、TV、パソコンやスマートフォンなどのディスプレイも問題になっています。逆に暗すぎることも障害になります。
暑すぎる・寒すぎる温度や湿度もストレッサーになります。音に関しては、工事現場の音、自動車や飛行機の音など、うるさすぎるオフィス、静かすぎるオフィスもあります。
気密性の高い部屋は、湿度が高いなりがちで、カビに要注意です。
カビといってもマイコトキシン は毒です。カビの二次代謝産物として産生される毒で、現在、300種類以上のマイコトキシンが報告されている毒です。
人や動物に対して 急性もしくは慢性の障害をを引き起こし、副腎の負担が増えるので要注意です。
洗濯槽のドラム、バスマット、頻繁に洗っているはずのまな板などの目に見えない所にも危険が潜んでいます。弁当箱やタンブラーのパッキンなど、水分のある所には気をつけましょう。
化学的ストレッサー(公害物質、薬物、酸素欠乏・過剰など)
化学物質や有機溶剤、金属、アルコール、タバコ、薬物、食品添加物といったものです。化学物質などの目や喉への刺激、匂いあるいは毒性はもちろんのこと、室内の空気環境(酸素欠乏)などもストレッサーとなります。
最近では多くの企業が受動喫煙防止対策を行っていますが、オフィスでの喫煙が許されている場合には、分煙や喫煙所の設置は必要です。
昼食などをオフィスで取る場合、エレベーターの配慮も欠かせません。
ハンバーガーやポテト、カレーライスやカップラーメンなどの匂いにも注意が必要です。
心理的ストレッサー
不安、焦り、いらだち、怒り、緊張、抑うつといった感情をともなうものです。
他のストレッサーと密接に関係していることもよくあります。
心理的ストレッサーには「時間ストレッサー」「課題ストレッサー」「身体的ストレッサー」などに細分化することができます。
毎日勤務シフトの関係でストレスのなかった仕事が嫌な仕事に変わることもあります。
課題ストレッサーは、「今月末までに新規顧客を20軒獲得しなさい」など時間ストレッサーと一緒になっている場合も少なくなく、多様性に通じるストレスで、ノルマや目標の達成、仕事上の義務など、当人にとって過大なことをしなければならないことがある時に感じるストレッサーです。
たとえば「女(男)らしくしなさい」などもこれに該当します。人によっては当たり前なのですが、納期や納品物に一定以上のクオリティが求められる、様々な場面でストレッサーが存在しています。
ストレスが続くと「マインドト−ク」になってノイローゼになることも少なくありません。
マインドトークは心の雑念が脳内でひとりごととなって、いまここから離れてしまう現象です。
どのようなストレッサーも、食べ物の好き嫌いがあるように、人によって感じ方が違うもので、メンタルモデルとも深い関係があります。
曼荼羅が描く因果のように
ストレス耐久性はメンタルモデルと深い関係にありますが、「曼荼羅」のように幾十にも因縁(いんねん)が絡みついたメンタルモデルからの解放を習得するには一生かかります。
メンタルモデルの元になっている因縁は身近なものでは親、遡れば先祖代々、最初の一滴のいのちまで辿ることになります。
ストレス減退法のもっとも簡単な方法なら、「一人一宇宙」の基軸に立てば、嘘のような話ですが約2時間程度で習得できます。
少なくとも2ヶ月のレッスンで人生を変える体験を身につけることができるのです。
ライフスキルを身につけることができるだけでなく、心から願うライフシフトする力を持つことができるのです。
マインドフルネスな呼吸
マインドフルネスな呼吸を習慣にすればいつでもどこでも自律的にストレスを減退できます。
マインドフルネスとは対象になりきることです。
すでに備わっている内面の平穏と喜びにアクセスすれば、つまりアクセスできるスキルを持てば自分を解放することで、「ある対象」になりきれる環境が整います。
環境が整えばあとは対象になりきれます。
対象とはもっともシンプルな呼吸であったり、自分自身、慈悲慈愛、仕事、スポーツ、遊び、性であったり・・・自分で選択できます。
「マインドフルネスな呼吸」とは、呼吸になりきった状態を指します。
「ある対象」になりきると、対象に没頭した状態なので自分は消えてなくなり、必然で「無我」になります。
瞑想では「無になれ」といいますが、「無になれ」「無になれ」と唱えたところで、無になることはできません。もっとも簡単に没頭できる方法として瞑想では、ひたすら呼吸に集中します。集中すれば呼吸以外のことは消えてなくなるので、無我になった状態を「無」というわけです。
手放せばハッピー
では、それがどうしてストレス軽減になるのでしょう。
呼吸で考えてみます。呼吸は吸って吐いての繰り返しですが、意識すると身体に緊張を強いるのでストレス軽減にはなりません。
緊張を和らげるには、脱力が効果的、つまり「ため息」です。肩の力を抜いて吐くことを意識すれば、自然にできるようになります。
朝起きた時、信号で待っている時、駅で電車を待っている時、昼食の待ち時間、会議を待つ一呼吸、身体から空気が抜けていくため息に注意を総動員するのです。
ため息によるストレス軽減法は、幸せになる方法を示唆しています。
大切なのは「手放すこと」です。勉強は緊張ですが、記憶したことを忘れることで手放してしまう。手放して残った記憶は自分の考えとして働いて、思考を組み立ててくれます。